アングルのバイオリン

violon d'Ingres. 趣味か余技か、それとも悪ふざけか・・・ とにかくこれが私の日常。

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自転車はどこへ行った

クリスマスというのに、こんな話題で恐縮であるが、自転車の置き場を忘れてしまって、立ち往生するような人は、少なくないだろう。

つまり、こういうことである。

自転車で、近所のスーパーまで買い物に行く。
店の前に自転車を止め、無事、買い物を済ませて、店の外に出るのだが、その瞬間、わずか数分前に停めたはずの自転車の置き場所が全くわからなくなっているのである。自転車を停めた、その時の記憶がすべて飛んでいる。ぽかーんとした表情をして、ネギや白菜を抱えて、スーパーの前で立ちすくんでいる男を見かけたら、それは私である。いや、だから、そういう人は、他にもいるはずだ、と問いかけているのだ。

私の愛用している自転車は、マウンテンバイクでも、サイクリング用のかっこいいやつでもない、近所のディスカウントショップで買った、ごく普通の「ママチャリ」と呼ばれるメカである。色もシルバー、と来ているから、平凡この上ない。真っ赤な色にでもしていれば、もっと見分けがついただろうに、よりによって、シルバーのママチャリである。

ウルトラセブンは、1キロ先の針の落ちる音を聴き分けたというが、私にも、数十センチ先の自転車を見分ける能力が欲しいと考えている。

並んだ自転車の群れを前にして、呆然と立ちすくんでいる様は、我ながら、情けない。
それも、毎日である。これは、何かの病の前兆であろうか。自転車を停める時に、もう少し、集中力というやつを働かせてみたらいいのではないか、と、毎回反省するのであるが、どうも、自転車を停める時、人間は童心に帰ってしまうものらしい。私の中の「少年」が顔を出すのである。いや、童心に帰るから忘れるというのも理屈には合わないが、まあ、固いことはなしである。もしかしたら、買い物に行く時間が夕暮れ時だから、こういうことが起きるのか、とも邪推してみるが、それも、どうも説得力に欠ける。

故浦島太郎が、竜宮城から故郷に帰ってきた時が、きっと、こんな心境だったに違いない。つまり、私は、微妙にタイムスリップしているのだろうか。そう考えれば、納得がゆく。あるいは、ヒル夫妻のように、宇宙人にアブダクションされて、自転車置き場の記憶を消されてしまった。それも無理のない、万人が納得する説明であろう。

いや、それでも、矛盾はある。自転車が見つからなかったことはない、ということだ。
数秒、うろうろしていると、間違いなく、自転車は発見される。タイムスリップしたのであれば、とっくに、自転車は撤去されているはずであるし、アブダクションであれば、宇宙人は、自転車まで消し去っているはずだ。

となると、答えはひとつ、か。

とにかく、いつも、新鮮な気持ちで、愛用の自転車、シルバーのママチャリに再会できるのは嬉しいものだ。
家路を急ぐ私の気持ちも、うきうきする。
しかし、それでいいのか。
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