アングルのバイオリン

violon d'Ingres. 趣味か余技か、それとも悪ふざけか・・・ とにかくこれが私の日常。

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カーペンターズと私

ロッドかと思えば、次はカーペンターズである。ベスト盤。こいつも借りてきてしまった。
ロッドもそうだが、カーペンターズ、まともに聴いたことがない。アルバムも持っていないし、真面目にカーペンターズに向きあった記憶もない。ただ、小学生の頃に流行ったことがあったりして、曲はずいぶん聴いているはずなのだ。

果たして、ほとんどの曲を知っていた。
ただし、カーペンターズの歌う曲が、結果的にスタンダードになっているので、知っていても不思議はないのは確かなのだが。
驚いたのは、「Only yesterday」のサビの部分、歌えてしまったのである、完璧に。何故だろう。メロディを覚えていた、というのではなく、歌詞を完璧に覚えていたのだ。いつ覚えたのかはわからない。とにかく、歌えてしまって驚いた。私はいつ、カーペンターズファンになっていのだ?

「Only yesterday」といえば、あれは、中学生の頃だ。
当時、国語を教えていた、新任の女性教諭I先生が、突然、授業中、こう言い放った。
「だいたい、ビートルズとカーペンターズを同じ感覚で聴いてもらっちゃ困るんだよ。『Only yesterday』なんて、甘ったるくて聴いてらんないよ。」
何しろ、何も知らない子供だった私は、I先生の、突然の意思表示に困惑した。カーペンターズはちょっとは知っていたが、ビートルズは、ほとんど知らなかった中学生だ、そう熱く語られても、まったく意味がわからない。

I先生は、いわば団塊の世代で、きっと、大学時代は学生運動でもやっていたに違いない。愛読書は「ぴあ」であると公言していたし、学校が終わると、恋人が校門の前までバイクで迎えに来る、という話もあった。「職員室なんて、老人ホームだ。」などという暴言まで吐いたこともあったらしい。まったく、70年代らしいといえば、70年代らしいではないか。きっと、ジャズ喫茶でコルトレーンとか聴いていたに違いない。

その後、私は、ビートルズも聴くようになった。背伸びをして、アヴァンギャルドな音楽も聴くようになった。そうなると、I先生の言っていたことがちょっと理解できたような気になった。「Only yesterday」なんて甘ったるくて聴いてらんないよ。そのくらいのことは当然、言ってもおかしくなかったろう。

ただし、年月は過ぎ去る。
I先生の衝撃発言からすでに30年がたっている。
カーペンターズ、悪くない。好き、というには抵抗があるが、とにかく、その人畜無害さがいい。70年代の、アメリカン・ポップスの良質な部分が表現されている。確かに甘ったるい、でも、その甘ったるさも、人畜無害。それほど目くじらを立てることもないし、何よりも、30年前の空気が懐かしくよみがえってくる。

考えてみれば、I先生も当時はまだ20代半ば。まだまだ尖っていた若者だったのだ。ヤング、である。それくらいの発言はして当然だろう。とにかくあれから30年、I先生は、今、カーペンターズを聴いたりするのだろうか、今でも、甘ったるいと思うのか、それとも私のように、それなりに楽しく聴いたりするのだろうか。ちょっと興味がある。
今なら、私は、I先生と対等に話ができるだろうか。

I先生に受けた影響、もしかしたら、考えているよりも大きかったかもしれない。
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