アングルのバイオリン

violon d'Ingres. 趣味か余技か、それとも悪ふざけか・・・ とにかくこれが私の日常。

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娘がエレキを。

娘がエレキを買ってきた。
もちろん、平賀源内のエレキテルではなく、寺内タケシのエレキギターである。
いや、ベンチャーズでも、チャーでも、リッチー・ブラックモアでもかまわないのだが、とにかく、エレキギターである。
いつか、そんな日が来るのではないかと漠然と思ってはいたが、いざ、目の前で娘がエレキを抱えている姿を見ると、何だか感慨深い。
私たちの十代の頃だって、もはや、エレキは不良の代名詞ではなくなりつつあったものだが、パソコンを一晩中やるより、エレキを弾いている方が健康的だと思わざるを得ない親心である。

実は、私だって、エレキを弾いていた。
というほどのものでもない。下手くそなバンドはやっていたが、ヴォーカルであったからして、エレキは抱えているだけでよかった。たまに、コードだけをそれらしく奏でるだけでよかったのである。

「お、エレキか。ちょっと貸してみな。」
そんなことを言って、娘のエレキを抱えてみた。実に20年ぶりの感触である。
まずは、Cのコードを弾く。続いてFである。このFというやつが実はくせもので、このバレーコードができずにギターをやめてゆく、というのが定番となっている。
私も一度はFでフォークギターをあきらめた。中学生の頃である。
それが、高校生になってロックを聴きだし、もう一度、Fに挑戦し、無事に制覇した。
コードくらいは何とか押さえられるようにはなった。

娘には言ってやった。
「『日テレ・ゴー・ゴー』の鮎川誠を知っているか?あれがレス・ポールだ。」
ちなみに娘のギターはストラトキャスターもどきである。初心者用の安物なのだが、いざ、抱えてみると、何だか嬉しくなる。

小一時間ほど、下手くそなギターを弾きまくった。といっても、娘の差し出す携帯の画面にダウンロードされているコード譜の、小さな文字を追いながらだから、うまくいかない。FがEに見えたりする。
「あれ、これ、Eじゃないだろ。」
とか言いながら、改めて携帯の画面を凝視すると、やっぱり、Fであった。

ジャッジャッジャー、ジャッジャッジャジャー。
これ、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」である。
私自身はハードロックは好きではなかったから、この曲なんかは馬鹿にしていたものだが、ついつい、弾いてしまう。というか、これくらいしか弾けるものがない。ちょっと恥ずかしい。「スモーク・オン・ザ・ウォーター禁止」を謳っている楽器屋もあるというが、今日もどこかで、何千人もの人がこのリフを弾いているはずだ。
「一億総スモーク・オン・ザ・ウォーター」である。

そのうち、指の先が痛くなってきた。懐かしい痛みである。ここでやめてしまうと、もう、ギター人生は終わってしまう。

「よし、今日はこれでやめておこう。」

結局、30年前と同じ理由で、私はギターを弾くのをやめ、最近、足の爪を真っ黒に塗ったりしている娘に手渡した。

また明日も弾いてみたい。
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