アングルのバイオリン

violon d'Ingres. 趣味か余技か、それとも悪ふざけか・・・ とにかくこれが私の日常。

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私の汗はワインで出来ている

ぎっくり腰のおかげで、十日間ほど酒を飲んでいない。
十日も断酒なんて、ここ数年では初めてのことではないか。
まいち接骨院での治療が効を奏し、腰の方は、ほとんど痛みを感じないくらいにまで回復した。もうそろそろ断酒解禁してもよさそうなものなのだが、一週間も飲んでいない酒をここで中途半端に再開するのも何となく悔しい気がする。もう少し自分を苛め抜いてみたいという自虐的な衝動がふつふつと沸き起こるのである。

その反面、解禁後の最初の酒は何にしようか、と考えると、いてもたってもいられなくなる。水だと思って飲み干したら、ワンカップ大関だった、とか、そんなくだらない状況でカムバックを飾りたくない。どうせなら、ちょっと奮発したやつを、という色気が出てくる。復帰戦には復帰戦に相応しい舞台というものがあるはずだ。それまでは、ほとんど毎日のように飲んでいたのだから、断酒した十日分の値段の酒を買ってもばちは当たらないのではないか、などと自問自答している。

酒、と書いたが、私が日々飲んでいるのは、ワインである。もちろん、私の血はワインでは出来ていないが、汗くらいはワインで出来ているかもしれない。その程度は飲んでいる。言っておくが、安ワインである。
ワインを飲むからといって、毎日、フランス料理やイタリア料理を食べているのかというと、そんなことはない。和食、中華、洋食、と、多くの家庭と同じく、何でもありである。焼き魚だろうが、煮物だろうが、餃子だろうが、私はワインを飲むことに決めているのだ。

ワインを飲む、ということは、ハレの行為ではない。ケなのである。

高級ワインを時々飲むくらいで、ワインを語るような輩を私は信用しない。vin de table(テーブルワイン)や、vin de pays、つまり地ワインなどといったものを、浴びるほど飲んで初めて、ワインの何たるかがわかる。何しろ、フランス留学時代には、1リットル100円くらいのワインを飲み、今ではワインの汗を流す私が言うのだから間違いない。
だから、テーブルワインも知らずに、「シャトー・マルゴー」だ、「ロマネ・コンティ」だ、などと偉そうに語るやつを見ると、腹が立つ。もちろん、9割が嫉妬である。

ワインが和食に合うのか?という話は、ワイン愛好家にとって永遠の議論らしい。例えば、寿司屋で白ワインを飲んでいるところを目撃された江川卓などは、格好の揶揄対象となる。まあ、確かに、いかにもスノッブな、嫌な感じがするのもわかるし、その場に相応しい酒、というものがあるのも事実である。
だからといって、ネタの生臭さや酢飯の酢臭さを余計に引き出してしまうからワインは合わない、などという議論が続くと、うんざりしてくる。
何も、いちいち食材との相性などを考えてワインを飲んでいるのではないのである。もちろん、したければすればいい、それは人の勝手というものだ。
しかし、ワインを、その程度の矮小な議論に収めるのは、本末転倒といえるだろう。いつでもどこでもワインを飲む、というライフスタイル、意志、これが一番大事なのである。ラディカルな意志のスタイルである。
もちろん、白でも赤でも、カベルネでも、ピノでも、飲みたいものを飲めばいい。料理との相性だ、マリア―ジュだ、などとせせこましくセオリーをつつき合っている様は、何とも貧乏臭い。

だから、私はワインを飲む。毎日飲む。牛乳みたいなものか。
何故、毎日ワインを飲むのか。それは、ワインが美味しいからであり、ワインのある食事が楽しいからだ。当たり前のことだが、そういうことなのだ。
それなら、ビールや日本酒では楽しくないのか?もちろん、そんなことはない。しかし、ワインとは、時間の流れそのものを楽しむ酒であるということ。ゆっくりとした食事の時間の流れに、最も適した酒であることは間違いないと思う。コルクを抜く前、抜いた直後、そしてさらに時間が経過してから、と、ワインは、生き物のように動きまわって、食事を豊かにしてくれるのだ。
エチケットを眺め、歴史をひもとき、テロワール、つまりワインを育んだ土壌に思いを馳せる。ワインほど想像力に訴えてくる酒もない。

やはり、断酒はもう終わりにしたい。書いていて、無性に飲みたくなってきた。
今日は暑いから、冷えた白ワインがいい。実は、最近、白ワインがおいしいと思えるようになってきたところなのである。

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Comment

魔羅一郎 says... "ワインの美学"
猫オヤジ殿、今日は。
先日、健康診断で肝臓に気になる数値の出た魔羅一郎めで御座います。
幸い、更なる精密検査の結果、肝臓は死ぬまで生きるくらいには大丈夫だとお墨付きをもらい、ホッとひと安心しています。
たとえ肝臓が悲鳴を上げようと、酒を飲むのが男の生き様です。
酒を飲むには、大凡、三つの理由が考えられます。

一つ。飲まずにいる理由がとくに無い。
二つ。飲むのに、理由は不要。
三つ。仮に、飲んではいけない正当な理由があろうと、飲んでしまえば、そんな事はどうでも良くなる。

私もワイン好きの一人として、一言させて頂きます。
ご存知の通り、料理とワインの組み合わせを、フランス語でマリアージュと云いますね。マリアージュとは、結婚の意味ですから、つまり、「相性バッチリ」と云うよりも、「新鮮味が無くなる」と解釈すべきでしょう。
それもその筈、フランス人が好むのは、不倫やら変態セックスであって、幸せな家庭生活やワインなんてものは、二の次です。ワインは、ただそこにあるから、ダラダラと飲む。夫や妻も、ただいるから、取り敢えず一緒に寝る。
フランス人の情熱は、ふしだらなセックスに向かうものであって、ワインや結婚に対して抱くものではありません。
料理との相性、マリアージュなんて、気に掛ける程のものでもありません。

ワイン好きには、口うるさい連中が多いですね。マリアージュ以外にも、ワインの適温と云うヤツがあります。
いったい、どの温度で飲むのが最適か?
私が思うに、ワインに適温なんてありません。
どの温度で飲んでも、間違いなのです。
一般的に、赤ワインは室温で・・・と薦められますが、これも正しくありません。何故なら、赤ワインに適した温度は、室温には違い無いのですかれど、自分の部屋の温度では無くて、誰か他の人の住む部屋の温度だからです。
白ワインは冷やして飲むのが良い、これも難しいです。
冷やした方が、確かに美味しいでしょう。けれど、ごく一般的な家庭の冷蔵庫は、腐った肉、得体の知れぬ魚、人智を超えた何物かに変じた玉子、誰かの食い残し、ご主人や奥様、またはその愛人の死体が手足を折り畳まれて保存されているものです。ワインを入れておく空きスペースなど見つかりません。
白ワインなんぞが、偉そうに冷やしてもらえる身分を主張しても無駄な事です。

それでも私は、この暑い時期、赤ワインをガンガンに冷やして飲みますよ。な~に、構うものですか。
それと、大切な蘊蓄をもう一つ。
飲み残したワインを、どうするか?
とても良い方法があります。
そのままにしておいたら、誰も飲んではくれません。
瓶の口の部分を、ベロベロ舐め回して唾液だらけにしておきます。
局部や肛門などを、擦りつけておいても良いです。或いは、犬や猫、もっと不快な動物の舌で舐めさせてみるのもお奨めです。
不思議な事に、そうしておくと、必ず誰かが飲み干して、朗らかな笑顔で「あのワインの残り、うまかったぁ!」と言うものです。
2005.07.22 14:04 | URL | #- [edit]
猫目 says... "days of wine and roses"
魔羅坊、おはようございます。
貴兄のワインの美学、同意すべき点が多いです。
どう飲もうとかまわないのです。
おいしいと思えれば、それでいいのですよ。
私も、赤ワインを冷やすこと、あります。もっとも、ボジョレーなどは、少し冷やして、などというのは、定説でもありますけど・・・。

これからも、お互い、days of wine and roses を送ってゆきましょう。

蜘蛛を漬けたワインなんて、いかがですか?
2005.07.25 10:24 | URL | #GaU3vP2. [edit]
魔羅一郎 says... "だから、ガンダムだって・・・"
赤い彗星こと、ニャア少佐殿、今晩は。
ニャア少佐は、ある意味ワインに関して口うるさいです。
口うるさい連中に対して、「美味しいけりゃ、いいだろ」と揶揄して、逆説的に口うるさいですね。まあ、でもそれは良い事なのでしょう。
野暮な質問で恐縮ですが、少佐殿のお好きなワインの銘柄なんぞを、教えて頂けないでしょうか。
私は少佐殿ほど、ワインを長年飲み込んでもいないし、造詣も深くないので、少佐殿の食卓の一端を窺わせて頂ければ、参考になります。
因みに、私は最近、ペトリュスとか云う安ワインをダースで買ってデイリーに飲んでいます。まあまあの味です・・・と云う様な、ふざけた話は無しですよ。

days of wine and roses.......はて?
薔薇は何ですか?
ほろ酔い気分で、唇に黒い薔薇。タンゴでも踊るのでしょうか?
2005.07.25 18:03 | URL | #- [edit]
barokich says... ""
とても賛成です。安ワインをたらふく経験してこそ味がわかるって処に。
ウン千円とかウン万円出してウマくて当り前、でも700円ワインよりまずいものもありますよね。
ところで私がハマっているのはアフリカ産のピノタージュフルボディです。
私は冷やして頂いてます。サイコーのつまみはライパンにゴーダやエメンタール、更にハラペーニョをのっけたものです。
これさえ毎日あれば、夕飯はいらないです。試してみてくださいね。
応援してます。
2005.08.15 16:50 | URL | #06fMZ3gA [edit]
猫目 says... ""
barokich様、書きこみどうもありがとうございます。

そうですか、賛成していただけますか。
嬉しいです。やはり、ワインは、毎日飲むものでしょう。お互い、おいしく飲み続けていきたいものです。
おすすめのつまみも、試してみたいです。

また、いらしてください!
2005.08.16 08:07 | URL | #GaU3vP2. [edit]

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茶とワイン
http://libertin.blog11.fc2.com/tb.php/28-afac69f7ビル・エヴァンス最高!の回にTBしてくださった「アングルのバイオリン」より。汗がワインになるほどワインを呑む。薀蓄は言わずに呑む。ただ自らの五感にしたがって呑む―。隊長は残念なことにワインに体質が合わな....
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