アングルのバイオリン

violon d'Ingres. 趣味か余技か、それとも悪ふざけか・・・ とにかくこれが私の日常。

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ラジオ体操の旅

柄にもなく、毎朝、ラジオ体操に通っている。
夏休みの間、小学校の校庭で行われるもので、子供が行くと言うから仕方がない。眠い目をこすりながら家を出る。
最初の数日間は、ぎっくり腰を理由に「見学」としゃれこんでいたが、朝礼台に腰かけてぼけっと眺めているのも何となく格好のつかないものである。考えすぎかもしれないが、人々の訝しげな視線も気になる。4日目くらいから、ついに、ラジオ体操の輪に加わることになった。人生の初体験である。

すると、音楽に合わせて、体が勝手に体操してくれるではないか。
よく考えてみれば、小学校、中学校、高校、と、何かにつけてラジオ体操をしていたはずだ。四半世紀、ラジオ体操をやっていないとはいえ、体は覚えていたようだ。「次は何だっけ?」と頭で考えている隙に、体は勝手に動き出している。まるで、ラジオ体操ロボットである。「体で覚える」とは、こういうことを言うのだ。

また、真っ白なジャージに身を包んだおじさん、おばさんが、「さあ、もっと胸を張って!」「声が小さいよ!」などと大声で指導してくれるのも頼もしい。きっと、何十年も、ラジオ体操を続けてきている人たちに違いない。

ところで、毎朝のラジオ体操、気になったことがある。もちろん、NHKラジオなのだが、毎朝、「巡回ラジオ体操」などと銘打って、日本各地から生中継しているようなのだ。ラジオ体操は、一年中、こうして、ラジオ体操の旅を続けているのだろうか。それも、ドサ回りのように、隣の町から隣の町へ、などというものではない。昨日、四国にいたと思ったら、今日は北海道、というような具合に、かなりの長距離を旅している。しかも、朝6時半には、生放送を始めなければいけないのだから、かなり辛い旅である。

その日の放送を終え、次の町へと移動するラジオ体操。
きっと、駅前や公民館には、「歓迎!ラジオ体操」などという幟がたっているはずだ。地方の人たちにとって、ラジオ体操の訪問は、大事件であり、数ヶ月前から首を長くして待っている一大イベントに違いない。
昼間は、とりあえず、名所などを案内され、夜は、歓迎の大宴会である。酒席の余興として、思わず、ラジオ体操なんかを披露したりするのだろうか。「おお、本物だ!」という興奮の声が聞えてきそうである。思わず、涙を流すお年寄りなどもいるかもしれない。
しかし、深酒は出来ない。翌朝は本番なのである。

そして、朝6時半。
「夕べはお疲れさまでした。」「いやあ、飲みすぎましたな。」などと言いながら、町の人々が集まり、ラジオ体操が始まる。
体操の途中で、「ここ、○○町は、ちょっと肌寒い朝です。名水を使った、○○ラーメンが名物です。」などという耳寄りな地域情報が挿入されるのが、嬉しい。これなども、きっと、前の日に、地元の人たちとの触れ合いから生み出された情報なのだと考えると、また、旅情もひとしおである。

ラジオ体操はあっという間に終わってしまう。
また、来ますからね、と、約束をして、町の人々と別れを告げるラジオ体操。また、次の町への大移動である。辛いなどという泣き言は言っていられない。待っていてくれる人がいる限り、ラジオ体操の旅は続くのだ。

と、勝手に解釈してみたのだが、もちろん、実情は違うのかもしれない。
でも、そんなことを考えながら、私は、毎朝、ラジオ体操に励んでいるのである。
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