アングルのバイオリン

violon d'Ingres. 趣味か余技か、それとも悪ふざけか・・・ とにかくこれが私の日常。

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旅する意味

世の中には、旅を「自分探し」と捉えている人たちがいる。
バックパッカーが急増したのは、私が大学生の頃だったろうか。団体旅行に背を向けて、こだわりの旅に出る。彼らの愛読書と言えば、「深夜特急」であったり、藤原新也であったり、好きな芸人といえば、猿岩石だったりするわけだ。もちろん、当時、猿岩石はいない。
最近なら、小林紀晴の「アジアン・ジャパニーズ」あたりか。

私も、何年か、フランスにいたし、ちょくちょく旅行もした。しかし、「アジアン・ジャパニーズ」に出てくる人のような台詞を口にした覚えはない。ほとんど村上春樹の小説のような言葉遣い、あんなこと言えるものだろうか。小林紀晴の趣味なのかもしれないが、ちょっと恥ずかしくなる。

きっと、彼らのは「旅」。私のは「旅行」なのであろう。そんな気がする。都会の暮らしに嫌気が差し、何かを探そうとして、旅に出る。彼らにとって、旅は手段であって、目的ではないらしい。ロードムーヴィーみたいなものか。いや、道すがら、子分との出会いを重ねていった桃太郎か?
つまりは、ビルトゥング・ロマンなのだ。

私の「旅行」は、それ自体が目的であるから、よく食べ、よく遊べば、それで十分である。それ以外は必要ない。自分を成長させようとか、そんな気概はないのである。旅行や海外滞在を経て、何かを得たか、成長したか、と訊かれれば、そんなものがあるわけない、と答える。おいしい料理を見つけた、とか、濃いオヤジに出会った、などという話題なら、胸を張って答えることはできるのだが。
だって、バカンスですよ、バカンス。

そういう意味では、「旅」と「旅行」の違い、「ベースボール」と「野球」くらいの差がある。ベースボールがスポーツなら、野球は、武士道とか茶道とか、「道」をつけたくなるような、生き方そのものを問われる存在だろう。梶原一騎をはじめとするスポ根漫画の世界である。
「旅道」。確かに、あるような気がする。旅道初段、とか、旅道師範、とか、そんな肩書きも可能だろう。入門する気はないが。

今年の夏は、どこへも行っていない。
一日だけでも、「自分探し」をしてみたいものである。
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