アングルのバイオリン

violon d'Ingres. 趣味か余技か、それとも悪ふざけか・・・ とにかくこれが私の日常。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

大晦日に格闘技?

大晦日に格闘技を見て過ごす。
それも、大規模な大会を同じ時間に、2つも放送している。
ここ数年の日本の状況は、私が言うのも何だが、尋常ではない。。
気がついてみれば、格闘技を見ないと年が明けないような気分になっているから不思議である。もう随分昔から、大晦日とくれば格闘技、ということになっているような錯覚さえ覚える。紅白やレコード大賞、ゆく年くる年を見ないと年が明けないと思っていた時代があったことを忘れかけている。
トリをつとめるサブちゃんの震えるような熱唱、「蛍の光」で登場する藤山一郎の華麗なる指揮、今いずこ、である。

大晦日に格闘技、こんな国、他にあるか。

あるのである、それが。
フランスでも、大晦日に格闘技を見たことがあるのだ。
パリの13区に住んでいた頃。
街のはずれの、カルパンティエ・スタジアムというところで、大晦日の夜、ムエタイの興行があるということを知った。ひとくちに中華街というが、もちろん、タイ人も多いから、年越しムエタイ大会、というところか。

しかも、メイン・イベントは、ロブ・カーマン対チャンプア・ゲッソンリット。帝王カーマンは、当時、前田日明との対戦も取り沙汰されていて、まさに全盛期、片や、チャンプアは、安生洋二との異種格闘技戦で注目を浴びていた頃だった。貴重なミドル級タイ人選手、今のガオグライ・ゲーンノラシンの大先輩ともいえる。
K1が始まる数年前の話だ。
この試合、確か、日本では、まだ実現していない、まさに夢の対決だったわけだ。今なら、ホースト対ガオグライ、か。
バタービーン対パリンヤー、か。それはない。

これは、見るしかないだろう。
紅白を放送してくれないフランスの大晦日の夜、格闘技観戦を妨げるものは何もない。

試合前夜、チケットを取りに、近くのムエタイのジムに足を運んだ。毎日、買い物に通っているショッピングモールの片隅に、そのジムがあった。へえ、こんなところにジムがあったのか、と、中へ入ってみると、何とそこにいたのは、誰あろう、ロブ・カーマンだった。あのカーマンが目の前にいる。もちろん、大興奮である。パリで、カーマンに会えるとは思わなかった。
カーマンは、タイ人のスパーリングを見物している。確か、カーマンの奥さんはタイ人だったはずで、カーマンは、ジムのタイ人たちとも、タイ語で話していたようだった。
カーマンを見たぞ、と、日本の友だちに自慢してやろうと心に決めた。

翌日夕方、会場前で並んでいたら、ごった返す列の中を強引に入ってくるやつらがいる。誰だと思って振りかえると、ロブ・カーマンだった。カーマン、一般客に混じって観戦しようというのか、いや、そうではない。選手のくせに、一般客と同じ入り口から入るシステムらしい。
夕べに続いて、またしてもカーマンである。これでは、せっかくのカーマンの価値も下落するというものだ。カーマンは、私のすぐ脇を通りぬけて、会場の中へと入っていった。あまりにカジュアルすぎる会場入りだ。
また、カーマンを見たぞ、と、もう一度自慢してやるか。

大会は盛り上がった。
何と言っても、タイ人が大多数を占めるので、まさに、ルンピニーかラジャダムナンか、という熱狂ぶり。本場の気分である。
試合中、相手のローキックを受けて骨折したらしい選手を、リング下に寝かせたまま、すぐに次の試合が始まる。これも、よくわからないが、本場の気分を盛り上げるスパイスである。

ちなみに、私は嫌がる妻を連れていった。
初めてのフランスの大晦日に、初めての格闘技観戦、場内に響き渡る骨折の音。嫌な思い出しか残っていないらしい。当然だ。

肝心のカーマン対チャンプアなのだが、確か判定でカーマンが勝ったと記憶している。おそらく、この日の試合を見た日本人は、私たちだけだろう。別に自慢にはならないが。

大会が終わって外に出ると、そこは、大晦日の、パリの中華街。
「新年快楽」という文字があちこちに見られて、それなりに賑やかである。

大晦日に格闘技、とは、誰が考えても、おかしい。
「大晦日に、こんなもの見て良かったのかなあ。」
紅白を見られなかった私は、ふと呟き、妻を見る。妻は機嫌が悪そうだったので、それ以上、大晦日に見るべきものについて話し合うのはやめた。墓穴を掘るだけである。

カーマンだって、きっと、「大晦日に試合?おかしいだろ、それは。勘弁してくれよ。紅白見せてくれよ。紅は勝ったのか?レコード大賞は誰だったんだ?」と思っていたはずだ。

それから、十数年、今では、大晦日に紅白を見るほうがどうかしてる、とさえ、言い切れる時代になった。
ただ、家族に理解者はいない。
スポンサーサイト

Comment

隊長 says... ""
うちの会社は、昨年の大晦日格闘技上映会があったそうな。ワタクシは出張でおりませんでしたが……。
それにしても、テレビの前に10人以上も居座って格闘技見物と来ると、どうしても力道山のことが脳裏をかすめます(って何十年前?!)
2005.12.21 03:30 | URL | #- [edit]
猫目 says... "大晦日の夜に"
隊長様、はじめまして。

いいですね、格闘技上映会。
でも、スクリーンをふたつ用意しないといけません。二元中継です。
それが可能なら、理想的ですね。

紅白、超常スペシャル、と、四元中継、っていうのは、無理でしょうか?
2005.12.22 22:47 | URL | #- [edit]

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://libertin.blog11.fc2.com/tb.php/74-6121f645
今年も大晦日は格闘技か?
K-1 PREMIUM 2005 Dynamite!! VSPRIDE 男祭り 2005 頂-ITADAKI-どっち、みようか。去年の視聴率はDynamite!! に軍配だった。 TBS・Dynamite!! 20.1% フジ・PRIDE男祭り 10.8%Dynamite!!は藤田の参戦が噂されてる。今から藤田VSヒクソン持ってくればスゴイ事になるけど
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。