アングルのバイオリン

violon d'Ingres. 趣味か余技か、それとも悪ふざけか・・・ とにかくこれが私の日常。

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プレスリーが死んだ日

エルヴィス・プレスリーが死んだのは、1977年8月16日。

そのニュースを聞いた日のことは今でも覚えている。
折りしも夏休み。もちろん、テレビ、各メディアは、こぞって、この大ニュースを取り上げる。プレスリーの死は、例えば、マリリン・モンローやジョン・レノンの死と同じくらいの大事件だったわけで、さしずめ、湯川れい子もびっくり、であった。

といっても、私は、当時、エルヴィス・プレスリーという名前は知っていても、その歌を聴いたことがなかった。派手なジャンプスーツと揉み上げ、というスタイルはどこかで見ていたかもしれない、その程度だったのである。

野球少年だった私が愛読していた報知新聞を広げると、囲み記事で、内田裕也の寄稿文が写真付きで掲載されている。しかし、私は、内田裕也も知らなかった。写真を見ると、スタジャンのポケットに両手を突っ込んだ、チンピラのような男で、「監獄ロックで俺を犯したヤツ」などという意味のわからない文章が羅列してある。こんなおかしな作文を、新聞が載せてもいいのか、と思った。

「ねえ、この、内田、って、誰?」
私は、母に尋ねた。母は、「何、内田裕也も知らないの?」と呆れて見せる。
「誰、その人・・?」
「ロカビリーの歌手よ。」
キング・オブ・ロックンロール、エルヴィスの死が伝えられた日、その日は、キング・オブ・ロケンロール、内田裕也を知った日でもあった。よろしく。

「プレスリーって、だけど、歌、うまいよね。」
お昼のニュースを見ながら、伯父がぽつりと言う。我が家は商売をしていて、伯父は、従業員でもあった。伯父は、当時、オープンリールデッキを駆使して、「港町ブルース」などを自ら歌って録音するくらいの歌自慢であったから、この言葉は、私の心にずしんと響いたのである。伯父が、私をプレスリーの華麗なる世界へ導いてくれたわけだ。
「背伸びして見る 海峡を~♪」という、エコーの利いた、エルヴィスばりの伯父の歌声は、今でも耳の奥に残っている。世界的に見ても、カラオケの先駆者であろう。

そうか、プレスリーって、歌、うまいんだ・・・。
だから、どうした、ってことでもないのだが、私は、新聞に大きく載った写真を眺めながら、歌を聴いてみたい、という思いに駆られたのであった

その死と共に、私は、エルヴィス街道を歩き始めたのである。
80年代ニューウェイヴに目覚めるのは、それから数年後のことだ。
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Comment

魔羅一郎 says... "迎春"
猫先生、遅ればせながら、新年おめでとう御座います。
当方、年末年始はどうも体調がすぐれず、無沙汰をしておりました。

プレスリーと云えば、やつがれにも思い出があります。
まだ毛の生えて無かった頃(どこにだ?)、クラスに気になる女の子がおりました。その娘、小学生のくせにプレスリーの大ファンでありました。可愛い女の子で、正直、仲良くなりたいものだと願っていたので、やつがれ、レコード店に走り、プレスリーなんぞと云う、聞き慣れぬ歌い手のシングル版(75回転の)を買ってみました。当時、確か500円程度だったと記憶します。
小学生の小遣いでは、大金でした。
で、家に帰って蓄音機にかけると・・・。
「わけわかんね~!」
英語だし(当然ですね)、大人なメロディーだし(小学生には未知の音楽でした)、全然面白くない。呆気にとられて、「こりゃ、ダメだ」と諦めました。
いくら女の子の気を引くためでも、プレスリーは私の理解を遙かに超えていました。
それから暫くして、トラウマも癒えた頃、『エクソシスト』が大流行。で、まだマイク・オールドフィールドの名も知らず、テーマ曲のチューブラベルズを買って、このレコードにはまりました。
そんな体験のせいでしょうか、少年から青年に成長した時にも、やつがれ、ロックと云えば、プログレやユーロが好きになり、80年代に入ると、ニューウェーヴ、アヴァンギャルド一色に染まりました。
青春の音楽、それはジョイ・ディヴィジョンであり、スロッビング・グリッスルであり、20代の頃の愛読書がウィリアム・バロウズとアレイスター・クロウリー・・・こんな青春を過ごして、屈折せずにいられることなど無理です。
だから、やつがれには、「誰もが過ごす青春のひと時」の思い出として、プレスリーも、ビートルズもありません・・・。健全な青春には、まるで興味がありませんでしたから(苦笑)。そんな暗黒の青春時代に、唯一、スロッビング・グリッスルの話題を共有出来たのが、猫目先生でしたね!
感慨深いです。
2006.01.19 13:05 | URL | #- [edit]
猫目 says... "寒中お見舞い"
魔羅うじ、おめでとうございます。
体調の方、いかがですか?

屈折した青春、それも、また良き、そして恥ずかしい思い出ですね。健全だろうが、屈折していようが、青春は青春です。
スロッビング・グリッスル・・・今にして思うと、青春時代だからこそ聴ける音楽のような気もします。今では、ちょっと聴こうと思わないような・・・。まあ、時代も違いますしね。

プレスリー、生きていたら、80年代は、テクノカットにして、ニューウェイヴを歌っていたかもしれません。見たいような、見たくないような・・・。

今年もよろしくお願いいたします。
2006.01.20 13:15 | URL | #- [edit]

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