アングルのバイオリン

violon d'Ingres. 趣味か余技か、それとも悪ふざけか・・・ とにかくこれが私の日常。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ゆるやかに流れよ「木綿のハンカチーフ」

ちょっと前に、中野のブロードウェイに行った時のこと。

ブロードウェイと言っても、「CATS」とか、「オペラ座の怪人」とか、そんなミュージカルなんぞをやっているわけではないことは、知っている人には説明は不要であろう。
そう、マニアックなショッピングセンター。中央線沿線の六本木ヒルズとも言える、オタクたちの殿堂である。

古本屋だの、オカルトショップだの、フィギュアだの、まあ、業の深い店を覗きながら歩いていたら、館内のBGMで、太田裕美の「木綿のハンカチーフ」がゆるやかに流れてきたではないか。

「木綿のハンカチーフ」は、太田裕美を一躍有名にした、70年代の名曲であることは言うまでもない。「富士には月見草がよく似合ふ」と言ったのは太宰治だったか。よどんだ空気のブロードウェイには、このレトロな名曲が似合っていた。何の違和感も感じない。
私は、「雨だれ」でデビューした頃から、太田裕美のファンであったから、「木綿のハンカチーフ」が大ヒットして、太田裕美が急に遠くへ行ってしまったような淋しさを覚えたものである。もちろん、最初から遠くにいるわけだが。

「木綿のハンカチーフ」、作詞はもちろん、松本隆だ。はっぴいえんど解散後、アグネス・チャン、太田裕美、岡田奈々、そして、80年代には松田聖子や近藤真彦まで手がけた。もちろん、「赤いスイートピー」もいいけれど、「木綿のハンカチーフ」の時代の歌詞は捨てがたい。岡田奈々の「青春の坂道」なんてのも隠れた名曲だろう。今でも時々、ついつい口ずさんでしまう。作曲は、あの森田公一である。

「木綿のハンカチーフ」にせよ、その次の、続編とも言うべき「赤いハイヒール」にせよ、田舎の少女が主人公である。田舎と都会、という相反する二元論が生きていた時代。携帯電話やネットが当たり前のようになってしまった今では、こんな二元論は通用しない。懐かしい時代だ。
当時の青春映画なんかを観ても、都会で夢破れてゆく青年像、みたいなものが多かったような気がする。

「木綿のハンカチーフ」は、田舎と都会、という二元論を歌っている、と書いたが、実は、この曲が生まれた1975年には、すでにそんな構図が古臭くなり始めていた。時代を映している、というよりも、少し前の時代を振り返っている、というわけだ。すでに、レトロだったのだ。
そんな、当時でさえレトロであった曲を、太田裕美は、切々と、それでいて清楚に歌っていて、あの舌っ足らずな声をラジオで聴くたび、幼かった私まで、何となく切なくなってしまったものだ。
「赤いハイヒール」、これがまた切ない。

中野ブロードウェイに「木綿のハンカチーフ」、誰が流したか知らないが、なかなか濃厚な、それでいてゆるい時間を過ごさせてもらった。
スポンサーサイト

Comment

idealistk says... "しあわせ未満?"
どうも、猫目さんとは、不思議なくらい趣味が一致しますね。
太田裕美は、何であんなによかったのでしょうね。今でも、彼女を越える歌謡曲は私にはない。パチンコ屋(人生劇場でしたか)で、LPも入手したはず。
2006.04.05 07:25 | URL | #- [edit]
猫目 says... "失恋魔術師?"
idealistK様

やはり、そうでしたか。
書きながら、idealistK様は、きっと、太田裕美ファンだろうな、とにらんでいたのです。何の根拠もないんですが、きっとそうだろうな、と・・・。
2006.04.05 21:41 | URL | #GaU3vP2. [edit]

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://libertin.blog11.fc2.com/tb.php/91-6021dbdc
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。